スラッピングのフォーム#1
ベースの技術と機材の考察をテーマにブログを綴っていこうと思います。
まずは一つ目の単元は、スラッピングです。
まず、スラッピング・テクニックをスムーズに行うために必要な考え方、テクニックを長期連載でご紹介したいと思います。
現存するスラップ・テクニックを正しく見極めるため、三種類のスタイルに分類、定義します。
それは以下の三つに分類されます。
1 パーカッション・スタイル
親指が弦に当たった後、すぐに元の位置に戻す。
例 ルイス・ジョンソン、マーカス・ミラーなど。
2 フラットピック・スタイル
親指が弦に当たった後、下方にある高い弦に向かって振り抜くフォーム。
例 ラリー・グラハム、ビクター・ウッテンなど。
3 ウッドベース・スラップスタイル
親指が構えたベースの下方を向くフォーム。
例 フリーなど。
たったこれだけかと思われる方も多いようですが、この三種類のスタイルを現代のスラッピング・スタイルの分類の根幹に据えて間違いはありません!
各奏法には、得意とするフレーズの方向性、機動性と音色があります。
私の考えでは、演奏者が求めているフレーズの表現方法に則って、一人の演奏家が、上記の三奏法を自由に選択することが、理想的だと考えています。
それでは次に、現状を分析してみたいと思います。
一般的にスラッピングを覚える時、最初に憧れてモデルにした演奏家が行っている奏法を、形態模写のようになぞってみることが多いようです。
そのために演奏者が最初に覚えた奏法を自覚なく行っていることが多いのです!
しかし、その習得方法で覚えた奏法が、物理的、技術的な限界には対応できないと言った矛盾が起こってきます。
例として、アップ・アンド・ダウンストロークで演奏したい時、弦の下に親指を潜り込ませる必要があるにもかかわらず、親指を弦から浮かせるパーカッションタイプのようなフォームを取るとします。
しかし、それではアップ・ストロークのきっかけを作れないのでアップ・アンド・ダウンストロークを演奏できない言った矛盾が出てきます。
単純なようですがこの問題は代表的なものです。
他にも、様々な矛盾を生じさせる可能性はいくらでもあるのです!
このような矛盾をきたさないためにも特色を把握し、メリットのある部分を正しく使えるクレバーなアプローチを行うことが大切だと思います。
優れた奏法は、音量の大小、スピードの増減、などを可能な限りコントロールすることができる、継続的な実施においても故障がないという、この二つの大きな命題を、高次元で実現できるかどうかであると私は思っています!
このテーマに則って少しずつ具体的に解説していきたいと思います。
次回は、パーカッション・スタイルの解説を詳しく行っていきたいと思います。